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第3話

数年前… あの日も梅雨入りの報道が朝からされていて憂鬱な気分で家を出た。 いつものように代わり映えのしない一日を送り 仕事後帰宅途中にいつものスーパーに寄って出来合いのものとビールとチューハイを買って帰宅を急ぐ。 朝から降り続く雨は今もやむことなく空から落ちている。 「やまねぇな…」 「そうですね」 「えっ?」 まさか返事が帰ってくるなんて思わなかったから危うく後ろにひっくり返るとこだった。これがあいつとの出会い 「梅雨ですもんね。俺くせ毛だからこの時期大変なことになるんですよ」 「はぁ…」 「あ…突然声かけちゃってすいません。久しぶりに外に出たものでつい」 「はぁ…この辺りの人?」 「…まぁこの辺りっちゃあこの辺りです」 「あぁ。そう…ていうか…あんた…びしょ濡れ…傘は?」 「ないすね」 「家どこ?送ろうか?」 これはただの気まぐれ。ていうか濡れ過ぎてて気になった 「怪我してるし。手当てした方がよくない?」 「あ…ははっ!大丈夫!」 「…家に帰れない理由でもある?」 「…まぁ…」 急に歯切れが悪くなったこいつが気になって 「んならうちくる?そのままだと風邪引いちゃうし」

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