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第4話

始めは戸惑っていた相手も暫くすると大人しく付いてきて俺より濡れてたから先に風呂にいれた。 その間にさっき買ってきた惣菜と家にあった残り物で2人分の食事を用意した。 「久しぶりに2人分作ったな…」 かつてここで俺は恋人と一緒に住んでた。 相手は家事が不得意で結果俺が何でもするようになってた。 そんな相手がいつからだったか家事全般を教えてくれと言い出した 「明星の負担減らしたいからね。これまで甘えてごめんね」 そう笑った恋人。そこから結婚という言葉もちらつき始めてた。暫くしたある程度のことができた頃突然告げられたのは… 「ごめん。好きな人ができた。別れて」 俺のために家事全般を勉強したかった訳じゃない…誰かのために俺は利用されたんだ… そう思うと長年持っていた愛も急激に覚めた。 その数ヵ月後結婚式の招待状が届いた。 苦しかった。だってあいつの選んだ相手は俺の上司だったから。 憧れの上司とかつての恋人。社内結婚…嫌でも2人の睦まじい姿を見ないとならなかった。 嫌でも笑顔でおめでとうと言わなければならなかった。 嫌でも結婚式には出席しないとならなかった。 上司はおそらく何も知らなかったはずだ。俺とあいつの仲なんて。 だから上司が笑っているのは仕方ない…でも 「今日は来てくれてありがとう。幸せになるね。これからも同期として友人としてよろしくね。暁も幸せになるんだよ。俺が幸せお裾分けしてあげる」 何の迷いもなく告げた彼の笑顔は俺に深く傷をつけた。

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