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一話【告白(上)】

 高校の入学式、入試で一番成績の良かった新入生がやらされる新入生代表挨拶。それをするため登壇した男に……秒で、恋をしてしまった。  オレの名前は傘野(かさの)(らい)……正真正銘、男だ。  同い年の男友達に比べて少しだけ背は低いし、ちんちくりんな体型だけど……ちゃんと男。勉強は得意じゃないオレは、体育の方が好きだったりする。  一方、新入生代表挨拶をしていたのは相田(あいだ)雨太郎(あめたろう)といって……さっきも言ったけど、男だ。  オレより背が高くて、メガネをかけてていつも無表情。新入生代表挨拶をするくらいだから頭はいいし、運動も人並みにはできるっぽい。  クールな優等生と、クラスのムードメーカー的存在のオレでは、正反対の存在だと思う。  ――でも、オレは相田が好きだ。  不愛想だけど綺麗な顔をしている相田の見た目から、オレは好きになった。  入学式の後、普段の学校生活でも相田を目で追うと、相田がいい奴で頑張り屋だということを知って……ますます、好きだって思えてきたんだから困りものだ。  授業で習ったことを一回で覚えるような天才というわけではなく、日頃から勉強を頑張っているから入試で一位を取れたらしい相田は、いつも本を読んでいる。  ブックカバーがかけられているから、どんな本かは知らない。でもたぶん、オレには理解できない難しい内容だろう。  相田と話すのは、一日に一回か二回だけ。朝の『おはよう』と、帰るタイミングが合った時に『またな』と言って、終わり。  会話はそれだけだけど、オレは相田が好きなんだから仕方ない。難しいことは考えられないオレにとって、相田が男だとかそういうのは些細な問題だと思う。  好きって伝えて引かれるかもしれないし、気持ち悪いって思われる可能性も、ある。  だけどヤッパリオレはバカだから……考えたって、解決法は分からない。  だから、入学式から一ヶ月後……オレは、相田に告白する決意をした。  一ヶ月、ずっと相田のことを考えてたんだ。オレはちゃんと相田を好きで、付き合いたいって思ってる。  だから、告白するのは普通だろう。誰だって、好きになったらいつかは告白するんだ。男同士なのは、大した問題じゃない。

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