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第1話

「佐藤!」 「ん?あ、高橋くん」 いつも練習に使っているスタジオに向かう途中、ギターを背負った少年がコンビニから出てきた。 どうせ袋の中身は特大コーラだろう。 それをラッパ飲みするのが佐藤鷹人(さとうたかひと)の練習中のルーティンのようなものだった。 同じ場所に向かってるのに離れて歩く理由も無く、自然と佐藤と横に並ぶ。 そうすると佐藤は嬉しそうに僕に微笑んだ。 「今日は早いんだね、高橋くん」 「ん?別にいつも遅れてねーし」 「そうだね、時々だね」 何がそんなに面白いのか肩を震わせている。 僕より三つ年下の佐藤は24歳で身長は172。 僕は未だ165cmだ。佐藤はギリギリまだ伸びる可能性があるけど、僕は流石にもう伸びない。 いつも見上げる形になるのが気に入らない。 僕と佐藤は同じバンドの仲間で、 僕がボーカル。彼はギター担当である。 他にも2人いるけど、1番付き合いが長いのはこいつだった。

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