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魅惑のバスタイム……?

「って、設楽…?おい、設楽、どうした?」  「先生…。愛してる、先生……」 「おい、設楽?」  肩をぐいっと押されて、設楽ははっとして目の前にいる大竹の、心配そうな顔を見つめた。 「……あれ?」  キョロキョロと辺りを見回す。  ろうそくが吹き消されたばかりの、まだ煙の立ち上るケーキ。  照明を落とした部屋。  コーヒーの香ばしい香……。  ……さっきの、ダイニングのままだ……。 「どうした?急に様子がおかしくなったけど、どこか具合でも悪いのか……?」  あれ?あれ?  ────現実……? 「……は~っ。なんで呼び戻しちゃうんだよ……」  すっげぇ、すっげぇ良い妄想だったのに……!超リアルで幸せだったのに!!先生すげぇ格好良かったのにぃぃいぃ……!!! 「大丈夫か?今日はもう帰った方が良いか?」 「だ、大丈夫……。えと、何だっけ……?」 「だから、プレゼントだって。ほら、お前がこないだチェックしてたiPad  mini 。カバー、グリーンで良かったか?」 「……iPadか……」 「何だよ、ちゃんと128Gだぞ?あ、まさか256Gじゃないとイヤとか言うのか?それとも他のモンが良かったのか?」  ……いや。イヤ、iPad miniはすごい嬉しい。お年玉で買おうと思ってたし。しかも128G。先生すげぇ奮発してくれたな。  すごい嬉しい。  すごい嬉しいけど。  すごい嬉しいけど。 「でも俺先生とお風呂に入るってプレゼントの方が百万倍嬉しいんだけど!!」 「はぁっ!?いきなり何言い出すんだよ!」 「ね、先生!一緒にこれからお風呂入らない!?」 「入る訳ねぇだろ!!」 「お願い!一生のお願い!!」 「お前の一生のお願いはもう百万回くらい聞かされたよ!」 「うわあぁぁぁん!!だったら妄想から呼び戻さないでくれたら良かったのに────!!!!」 「本人前にして妄想するなぁあぁぁぁ!!!!」   ◇◇◇ ◇◇◇  --------------------- ご……ごめんなさい💦💦

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