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第11話
主人side
「旦那様。本当に良かったのですか?」
「…いいんだ…栗花落が笑顔でいられる場所なのだから…」
更に数分前
「暁くん」
「…っ…栗花落は…どうしていますか?」
「…栗花落はまだ君を思っている…君はどうだい?」
「…こんなこと言う資格なんてないのはわかっている…だけど…俺は今でも栗花落を…はなちゃんを愛しています…」
「いろんな男に抱かれ汚れたやつでも?」
「…っ…だって…はなちゃんははなちゃんです。こんな最低な俺だけどやっぱり…はなちゃんを忘れることはできない」
「…わかった…栗花落を…返してあげる…その代わり…幸せにすると約束して」
「会わせてくれるのですか?」
「栗花落から行かせるから…今日は午後から休暇を取ってもらえるか?」
「わかりました…」
「栗花落のこと…お願いします…俺はたくさん間違えた…愛する人なのにね…」
「…あなたのしたことは…許せない…でも…はなちゃんはあなたがいなきゃもっと悲惨だったのかもしれない…はなちゃんを生かしてくれたのはあなたなのかもしれません。俺は…はなちゃんを沢山傷付けた分また再会できたのならば…はなちゃんが嫌だと言うまで愛し続けます」
…
「暁くんがそう言ってくれたから…だから…」
「旦那様…泣いてもいいのですよ」
「ありがとう…お前にだけだ。こんな姿を見せられるのは…胸を貸してくれ…」
「はい…」
ねぇ。栗花落…君の本当の笑顔が戻ったとき…また君の姿を遠くからでもいい…見に行ってもいいかな?
きっと俺はお前と同じ名のこの時期になるたび己の愚かさを憎むのだろう…
誰よりも愛してた…だから…幸せになって…
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