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天気雨
掴まれていた腕が漸く離されたと思ったら壮史に強く抱き締められた。
ぎゅうと音がするんじゃないかと思うほどに強く強く。
和希の肩に頭を埋めるように置き、甘えているようにも思え、和希も壮史の身体に腕を回した。
「本当にお前は時々無自覚に煽るよな、しかも核爆弾級のやつで」
肩に乗せた頭をぐりぐりと押しつけながら壮史が言った。
やばかった、と笑いながら壮史は欲情を逃すように息を吐く。
「口で…しようか」
さっきから下半身に当たっている熱くて固い存在に気づいてはいた。
でも麻衣がいるこの状況で最後まで致す訳にはいかない。
それならせめて…
和希はそっと壮史の固く勃ちあがったものに手を伸ばした。
「麻衣さん戻る前に…寝室行こ」
息を飲んだままの壮史の手を引くと、和希は寝室に向かって行った。
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