15 / 412

天気雨

片方の手が太腿から鼠径部にゆっくりと滑らされ、和希は身体をびくりと揺らした。 壮史の大きな手が和希の股間を握り込む。 「ここは?和希。触らせた?」 和希は声も出さず首を横に振った。 「…舐められてない?」 「そっんなこと…」 赤くなった顔で和希は下を向いた。 壮史に触られ反応してしまいそうだった。 「もう、俺以外の誰にも触らせないで」 え、と顔を上げると目を閉じた壮史の顔がすぐ近くにあった。 そのまま唇が重なってきたかと思うと、にゅると壮史の舌が入ってくる。 「…っ」 思わず身体を引いた和希を強く抱き寄せ、壮史はさらに深く舌を絡めてきた。 熱い… せわしなく口の中を動き回る壮史の舌に夢中で和希も舌を絡ませた。 上顎を舌でなぞられると背筋から腰にぞわりと快感が走る。 2人は会話をすることも忘れ、長い間唇を重ね合っていた… 「そ、う、んぁ、麻衣さんが…」 重なる唇から逃げるように和希が顔をそらせながら言う。 和希に見せつけるように口から赤い舌を出したまま、壮史が自分の唇を舐めた。 その仕草に下半身がずくんと重くなる。 和希の項に手のひらを這わせ、髪や耳を愛おしそうに撫でながら、壮史はまた唇を重ねてくる。 「壮、もう、やだ…」 「…なんで?」 チュッと軽いキスを唇や唇回りに落としながら壮史が尋ねる。 …わざとだ。 わかっているのに、言わせたくて聞いている。 赤くなっているだろう顔を隠したくても、 両手はまだ身体の後ろで壮史に束ねられたままだ。 壮史の胸に顔を擦りつけるようにして隠しながら、和希は泣きそうな声で吐き出す。 「欲しく、なる………」

ともだちにシェアしよう!