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素直なあまのじゃく
嫌だ嫌だと思っていることほど、早く来てしまうのは何故だろう…
あっという間に週末が来てしまった。
壮史と和希は電車で合コンの場所に向かっていた。
ドア付近に2人で立っていると、近くにいた女子たちがこちらを見て何やら話していた。
渡邉も言ってたけど、イケメンだもんな。
壮史を見上げて和希はしみじみと思った。
170cmを少し超えた和希とは違い、壮史は185cmを超えているかもしれない。
長い手足にバランスのいい身体。
特に鍛えている訳ではないのに、適度に筋肉もついている。
「何、電車に酔った?」
和希の視線に気付いた壮史が和希の耳元で聞く。
大丈夫とぶっきらぼうに答えてから、和希は慌てて窓の外に視線を移した。
壮史が和希の手を掴む。
「な、何」
「次で降りるぞ」
壮史は自分の身体で手元を隠すようにすると、和希の指に自分の指を絡めた。
「そう…」
「しー。誰にも見えてないって」
ぎゅっと握られた手が熱い。
顔まで熱くなった和希は見られないように身体ごと壮史の身体に隠れた。
次の駅がまだまだ先だったらいいのに、とちょっと思ってしまった自分にさらに赤くなった和希を、
壮史は気付かない振りをしてやった。
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