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素直なあまのじゃく
合コンの場所は居酒屋のようなお店だった。
渡邉が会費を集めているのを見ると、壮史が自分と和希の分を渡しに行く。
「近くで見るとさらにイケメンだな、相澤!」
いつものように大きな声で渡邉は笑いながら言った。
もうすでに和希たち以外は集まっていたようで、まずは男女で別れて座り、自己紹介が始まった。
ヤバイ、もう帰りたい。
和希は来たことを早々に後悔していた。
「相澤壮史、隣にいるこいつとは幼馴染で、只今同棲中です」
「どっ!!」
思わず立ち上がって大きな声をだしてしまった和希に笑いが起こる。
「戸川、和希です。隣のこいつと…同棲中です」
なんとか自己紹介を済ませた和希は、壮史が同棲中などと口にしたのはわざとだったと確信していた。
自己紹介が終わると早速と言わんばかりに席替えが行われ、壮史とは離れてしまう。
男女の順番で座り、あちこちで楽しげな会話が聞こえてくるのを和希はぼんやりと聞いていた。
少し酒でも飲まないとやってられるか!
和希は苦手なビールをがっと飲み干した。
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