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素直なあまのじゃく

壮史の顔に両手を伸ばすと和希は噛み付くようにキスをした。 いつも壮史がするように唇をペロリと舐めてから壮史の口に舌を差し入れる。 壮史の舌が積極的にならないことに和希は泣きそうになりながら、必死で壮史の舌に自分の舌を絡めた。 「和希、ちょっと待てって」 壮史が和希を乗せたまま身体を起こし、ソファに凭れた。 壮史の太腿の上に和希が座っている状態になり、和希は壮史の首を両手を回すと、壮史が和希の胸を押し止めた。 「…したいの?」 ほんの少し視線が低い壮史に見上げられ、和希は慌てた。 何も考えてなかった。 ただ何でもない関係のないヤツに壮史が触られ、それを許した壮史に苛ついたのだ。 「したいんじゃなかったら、風呂入っていい?酒も入ってるし…」 言い終わらないうちに和希はまた壮史の唇を塞いだ。 相変わらず壮史の舌は積極的ではない。 それでも。 これから先はわからない。 でも少なくとも今だけは、こうして壮史に触れ、快楽を与えられるのは自分だけだというくだらない優越感がどうしても欲しかった。 和希は壮史のベルトを抜くとジーンズのボタンをはずし前を開く。 下着の中の壮史が少し反応しているのを確認すると和希は途端に嬉しくなった。 壮史の膝から降りると壮史の脚の間に入り座る。 下着をずらして性器を取り出す。 壮史の顔を見上げながら、和希は舌を出し壮史に見せつけるようにしながらそれに舌を這わせた。

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