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贅沢なスレ違い

「わかった、和希のしたいようにしたらいいよ」 壮史に柔らかく笑いながら言われ、和希はほっと肩を降ろした。 この時はこれからがすれ違いの生活になるとは思っていなかった…… 大学の構内で次の講義までの時間を中庭で過ごしていた和希に影が出来る。 顔を上げると…原田だった。 おはよと挨拶をする原田はひどく疲れているように見えた。 「…何かあったの?」 「母親とばあちゃんが入院しちゃって、家の事が回らなくて…」 眉を下げ困ったように笑う原田。 何かできることはないか、そう聞いても原田は遠慮して言わないだろう。 「今日家に行ってもいい?」 和希が聞くと、原田はもちろん!といつもの優しい熊さんに戻って笑った。 散らかってるけど、と頭を掻きながら付け加えた原田はやっぱり窶れて見えた………

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