123 / 412

犬も喰った喧嘩

寝室のドアが開いて和希が目を擦りながら出てくる。 壮史はそんな和希に笑いながら引っ張って風呂場に連れて行く。 脱衣場で服を脱がすがまだ目が覚めきっていない様子の和希は恥ずかしがる様子も抵抗する様子もない。 頭から熱めのシャワーをかけ、湯船に入ると漸く目が覚めたらしい和希が恥ずかしそうに身体を縮めた。 そこで壮史が声をかける。 「おはよ」 「お、おはよ…」 後ろから腕を伸ばして和希の顔を自分に向けさせると壮史はチュと軽いキスをした。 「昨日風呂入らずに寝ただろ。 洗ってやるからおいで」 ざばっと湯船から立ち上がり手を出す壮史に、和希は赤くなりながらも手を伸ばした。 壮史は和希を座らせるとシャワーを出し髪を濡らしていく。 シャワーを止めるとシャンプーを手のひらに出し、軽く泡立ててから和希の頭に塗りマッサージするように髪を洗っていった。 「んー、気持ちいい…」 本当に気持ち良くなるのはこれから。 にやりと笑う壮史が見えない和希は呑気に身を任せていた。

ともだちにシェアしよう!