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犬も喰った喧嘩

「和希…」 「壮…………………好きだよ」 和希は赤い顔を隠すように壮史にぎゅっと抱きついて、耳元で壮だけと囁いた。 壮史は答えず、その代わりにと和希の首筋や耳元にたくさんのキスを落とす。 一旦キスをやめ、さっき脱がせた服を和希に着せて ベッドに寝かせると壮史は後ろから腕を回して抱きしめた。 「壮、あの…しないの?」 和希の言葉にふっと軽く笑うと壮史はしたいの?と逆に聞いた。 聞かれた和希は、したいような、しなくてもいいような、不思議な気持ちだった。 このまま少し物足りないような気持ちで抱きしめられたまま、眠る日があってもいいな。 暖かい熱に全身を包まれるような心地良さに和希は知らぬ間に深い眠りに落ちていた…

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