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大爆発の独占欲
壮史が不機嫌オーラを消してそう言うと西脇はいいよね、と回りのスタッフに詰め寄る。
「やった、じゃお願いしまーす」
壮史は和希の腕を引き、指定された場所に立った。
「え、相澤くん、あたしがそこに」
「最初から言ってるよね、近寄るなって。何か勘違いしてるのはあんたの方だから」
冷たい声に背中がぞくりとした。
「壮史、もうちょっと言い方ってもんがあるだろ」
和希がそう言うと壮史はふーと息を吐いて頭を下げた。
「嫌な空気にしてすみません、撮影お願いします」
教室内の空気が張り詰めていたものから少し和らいだ時西脇が教室から出て行くのが見えた。
思わず追いかけようと動きかけた和希を壮史の手が止める。
和希は仕方なくわかったと頷いてみせた。
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