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大爆発の独占欲

和希は渡邉から持たされたスタッフ用資料に目を通しながら撮影教室に入る。 同じスタッフとわかる人には挨拶をしていると、ぐいと強い力で腕を引かれた。 「遅い」 和希はまたため息をついた。 本来の壮史ならこんな撮影ならすぐに終わらせてしまうだろう。 不機嫌な顔を隠せないほど苛立ってしまっているのは、やはりさっきの西脇のせいなのか。 困ったなと思っていると、その西脇が何人かのスタッフと話しているのが聞こえてきた。 「だからさ、相澤くん緊張してるから、あたしも一緒に入って、相澤くんの自然な表情撮ったらいいじゃん」 「いや、でも…」 他のスタッフには壮史が西脇を避けているのが明白なのだろう。 わかっていないお馬鹿さんは西脇のみということだ。 「あたしは写さなくていいんだから、それでやろうよ!」 「一緒に入っていいの?」

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