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大爆発の独占欲

なんだかざわざわし始めた胸を押さえながら和希は渡邉の後に続いて教室に入った。 たくさんの人がいる中、すぐに壮史を見つけた和希は声をかけようと動きかけて止めた。 壮史が一人の女の子と笑って話していたからだ。 スタッフに呼ばれたのか、女の子が動く。 が、何かに躓いて転びかけた時、壮史がその子を抱き止め、二人は顔を見合わせ笑いあった。 和希の中に暗く重い影が落ちていく… 壮史はゲイじゃない。 初めてのセックスは女性と普通にできたはずだ。 和希は…勃起しなかった。 その時は初めてで緊張しているからだと思っていたし、そう思いたかった。 でも何度かそういうチャンスがあったが、どの時も反応しなかった。 壮史と初めてキスをした時、和希はキスだけで痛いほど、達してしまいそうなほど反応していた。 他の男でもそうなるのかはわからない。 でも壮史と自分は違う、その思いはその当時からずっと自分の中にあるもので、 それが今日いきなり鮮明に甦ってきた。

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