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コタツとマスクと甘えん坊

壮史が出した精液は和希の胸や顎にまで飛び、壮史は熱い息を荒く吐きながら顎についた精液を指で拭った。 和希の手が壮史の手首を捕まえる。 精液のついた指をペロリと舐めて見せるとまだ萎えていない壮史の性器がひくりと頭を擡げた。 壮史がもう一回と誘うキスをしようと和希に顔を近づけた時、和希が顔を背けてくしゃみをした。 汗が冷えたのか、身体をぶるっと震わせた和希を見て、壮史は慌てて下着だけを身につけると風呂に行きお湯を溜める。 エアコンをつけ絞った熱いタオルで和希の身体を拭いてやり、そのまま半分ほどお湯の溜まった風呂に連れて行った。 湯船に入り後ろから抱き締める壮史に和希は笑う。 「過保護すぎだろ」 「恋人の特権と言え」 和希の頬にキスをすると壮史は和希の項に唇を移し時折強く吸い付いた。 「…こら、見えるとこにつけるなって」 「見えないとこならいい?」 それならと頷く和希の腕を持ち上げ二の腕の内側に幾つも痕を残す。 「くすぐったい、それに痛い」 「和希は?」 「え?」 「俺のって印、つけたくならない?」 聞かれた和希は首を傾げる。 つけたくない訳ではないが、つけたいと強く思うこともない。 どちらかと言えば……… 「俺は………」 和希は顔を壮史から背けながら腹に回された腕をそっと掴む。 「壮史に……つけられるのが、好き」 俺のものだと言われているかのように強く吸い付かれるのがいつの間にか好きになっていたのだ。 身体中に痕を残され、消える前に上書きするようにまた痕をつけられる。 それが、好きだと口にしない壮史の気持ちのようで。

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