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切ない春休み

壮史の熱い手と舌が身体中を滑る。 もう声は掠れ感じ過ぎた身体は少し触れるだけでも敏感にそれを受け取り震えた。 病気かと思うほどの赤い痕が無数につけられ、軽い歯型もあちこちに見えるのを和希はやっとの思いで首を動かし眺めた。 壮史の手と舌は和希の下半身に移り、和希の弱い箇所をわざと焦らすように舐め撫でる壮史を和希が濡れた目で睨んでやった。 和希の視線に少し顔を上げた壮史がふっと小さく笑い、内腿に舌を這わせてから言った。 「何?もっと?」 一度達しているせいか余裕のある壮史をさらに睨むと和希がのろのろと身体を起こす。 サイドテーブルの引き出しからローションを取り出すと震えるてのひらに垂らしてからそれを指に馴染ませるように絡める。 息を飲む壮史の目の前で脚を開くと和希は濡れた指を後孔につぷりと入れた。 「んっ」 壮史がいつもしているように解すように指を回しながら痛いほどの壮史の視線を感じ和希の身体が震えた。 見られている。 いや、正確には見せているのだが、 毛穴まで、中の中まで見透かすような壮史の視線が快感に繋がることに和希は思わず口に出してしまう。 「もしかして、俺、Mなのかな…」 一旦指を抜き後孔周りに塗ったローションを纏わせ指を増やしまたゆっくりと入れる。 気持ち良さではなく、ただ壮史を受け入れるためだけにしているこの行為、 同じようにしているはずなのに気持ち良さは雲泥の差で、和希は端から諦めていた。 この後の身体が浮くような、普段感じることのない身体の奥まで満たされるような強く深い快感を求める身体に自分の指では物足りないと言われているのもわかっていた。

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