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切ない春休み
翌朝和希が重い腰を庇いながら起きてくると、壮史が洗濯物を干しているところだった。
昨夜の後始末の礼を言う和希の赤い顔を見ながら壮史が不機嫌そうに適当に返事をする。
腰を擦りながらシャワーに消えた和希を見送ってから壮史はたった今干した洗濯物をまた籠に入れ、脱衣場に戻り洗濯機に突っ込んだ。
甘い香水の匂いが消えてない。
その香水の匂いに気づいたのは飲み会から帰ってシャワーに入る時だった。
ふと香る香水は和希の服からしていた。
浮気を疑った訳ではない、
ただ香水がこんなに残るほど近くにいた女の存在が気に入らなかった。
寝ている和希を起こし溜まりに溜まった欲望を解消できても、
洗濯してもまだ残る甘い香りが気に入らなかった。
壮史は洗濯機のスタートボタンを押すと服を脱ぎ、シャワーを浴びている和希を追いかけるように浴室に入っていった………………………………………
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