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溢れる家族愛
入っていった時と同様素っ裸で出てきたご機嫌な圭を何とも言えない顔で豪が拭いている。
「風美、おっぱいでかかった!」
ピシッと音を立てたのが聞こえた気がした。
豪が固まっている。
「乳の話しくらいで固まるなよ、中学生か」
海が毒を吐くのも耳に入っていない。
固まった豪に代わって圭を拭いてやりながら海が和希の方を振り返った。
「和希、風呂入ってこいよ。マジで風邪引くぞ」
追い出されるようにリビングを出ると着替えをし髪を乾かした赤坂と世話をしていた凛が脱衣場から出てきた。
駅で見た青白い顔色は無く、血色の戻った赤坂を見て和希はそっと息を吐いた。
凛に案内されてリビングに入っていく赤坂の背中を見送り、和希も風呂に入ることにした。
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