4 / 4
第4話
「ねぇ、すごく気持ちよかったでしょ? またシたい?
俺のペットになるんだったら、またシてあげてもいいよ。
俺も気持ちよかったし。αを好き放題できるのも楽しいしね」
「誰が…………」
「あんなに喘いでたのに素直じゃないんだから。
まあ、いいや。俺の連絡先渡しておくよ。ヤられたくなったらいつでも連絡してよ。
俺、結構暇してるし」
「あ、ご主人様からだ、ちょっと待って。静かにしてて」
笑也は電話で誰かと会話を始めた。
さっきあんなことをしたばかりなのに、その余韻も無視して誰かと電話している?
尚宏は心の中で舌打ちをした。しかし、そんな尚宏の様子など気にもせず、笑也はあっけらかんとしていた。
「ごっめーん、ご主人様に呼ばれちゃった。俺今すぐ行かなきゃ。
中に出しちゃったから後処理までしてあげようかと思ってたんだけど、俺なんだかんだで金で買われている愛人だからご主人様の命令には逆らえなくてさ。じゃあ、連絡待ってるから。またな、尚宏」
またな、と手を振られても”また”なんて無い。
そのはずなのに、どうしてだろう。
笑也が書いた連絡先のメモを無くさないように机の上に置きなおしたのは。
尚宏は自分に言い聞かせるように呟いた。
「絶対連絡なんかしないんだからな……」
ともだちにシェアしよう!