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物語本編 15
≪二週間後≫
映画を観に行った日から、財前は毎日のように鈴木に付き纏ってくるようになっていた。
登校時は駅で待ち伏せされているし、
下校時も当たり前のようについてくる。
移動教室で必ず隣に座ってきたり、
トイレにまでついてきたり、
昼休みに教室以外で昼食を食べようとしても、必ず嗅ぎ付けてきたり。
鈴木がどれだけ素っ気なくあしらっても、財前はめげる気配がない。
お陰で鈴木は『財前使い』として、財前同様、クラスメイトから少し遠巻きに見られるようになっていた。
鈴木(俺だってこんなヤツ、扱いきれないっての)
授業中、前に座る財前の背中を眺めながら、「どうしてこうなった」と溜息を零す鈴木。
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