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物語本編 18
財前は、雨が降り止まない空を見上げながら、鈴木に問う。
財前「鈴木、傘は持ってるの?」
鈴木「持ってないから、今こうしてお前に追いつかれてんの」
げんなりと鈴木は肩を落とす。
鈴木に向き直り、カバンの中から取り出した折り畳み傘を、ドヤ顔で掲げて見せる財前。
財前「俺は鈴木を濡らさない為に、365日傘を持ち歩いてるんだ。あ、勿論俺の前では思いっきり乱れて、濡れてくれてもいいんだけど」
鈴木「一緒に帰るより、この会話聞かれる方が、どう考えても恥ずかしいよな」
すぐに妄想の世界に走る財前を、遠い目で見つめる鈴木。
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