21 / 34
物語本編 19
行き交う生徒たちが、ただでさえ容姿で目を惹く財前へ、チラチラと視線を向けてくる。
鈴木(これじゃ、また妙な噂されんじゃん)
財前と一緒に居る鈴木にも自然と注がれる視線に耐えかねて、鈴木は濡れるのを覚悟で立ち去ろうとする。
鈴木が踵を返した直後。
男子生徒A「また鈴木追っかけてんのかよ。頭ヤバくね?」
男子生徒B「残念なイケメン枠狙ってんじゃねーの。残念どころじゃねぇけど」
耳に飛び込んできた、財前を中傷する声に、思わず足を止めて振り返る鈴木。
ともだちにシェアしよう!