32 / 34

物語本編 30

 必死に財前を押し返そうとするも、力では敵わず、鈴木の背中がシャッターにぶつかってガシャンと音が鳴る。 財前「俺の頭の中は、鈴木でいっぱいだよ。大好きなもので満たされるのは、最高に幸せなんだ」  鼻先が触れ合うくらいまで迫る財前の顔に、たじろぐ鈴木。 財前「だから鈴木の中も、俺でいっぱいにしたい」 鈴木「ちょっと良いこと言ってる風だけど、お前が言うと怖い!」  間近で絡み合う視線。  逃げ場のない身体。  雨音に覆われた世界。

ともだちにシェアしよう!