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第12話

「はぁん……あっ、あっ、あっ、そこっ…」 「ここが…そんなに気持ちイイのか?」 興奮と悦楽に掠れた声が耳元で甘く囁く。その低音な声にゾクゾクとして中で暴れ回る尚之を締め付ける。 「…そんなに締め付けんじゃねぇよ……っ!!悦すぎて出ちまうじゃねぇか……」 それでも打ち付ける腰の動きは止まらず、勝己の弱い所を攻めたてては薄くなり、量の少なくなった快感の印が伝い落ちていく。 何度も繰り返されているキスのせいで、飲みきれない唾液は溢れ、眦からも絶えず雫が流れていく。 「……も……む…り……」 言う度に強く穿たれ、パン、パン、という音だけが部屋に響き、言葉が消えていく。 「俺はお前ほど若くないから、枯れるほど出してやれないんだよ。最初に言った通り、気持ちイイことしかしてないだろ?」 「……あぁ、うん……イぃ……」 「他の奴とするなよ?俺だけだからな?」 「……ぅん、あっ、あっ、わかっ……た…」 「……うん、良い子だ……」 もう、正常な思考など持ち合わせていないことをわかっているのだろうか?という疑問も持ちつつ、尚之は満足そうに頭を撫でた。 その手に擦り寄ってきた勝己が可愛くて、ラストスパートをかけた。 「あっ、いやぁぁぁぁ、壊れるぅぅぅ」 「……ふっ、一生面倒を見るから壊れてしまえ……俺だけの可愛い勝己……」 そんな言葉を耳に躰の中に熱い飛沫を感じた。尚之が中で達したのだと知る。 ずっと揺すられていた躰は疲れきっていて、気を失うように、勝己そのまま深い眠りの縁へ落ちていった。 「……ただでオマエらを引き取るわけないだろ?目的はオマエだよ、勝己。」 愛おしそうに髪を撫で、額に口付けをした勝己を翻弄しまくった男が、物騒な科白を吐いていたことなど、この時の勝己には知る由もなかった。

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