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プロローグ (1)

『え…っ…ちょ、ちょっと…っ…!! も、望月さ、ん…っ…!?』 「大学生なんだろう? このぐらいのキスで一々騒ぐな。」 低く掠れた声でそう言い放つ。 それはどこか怒りも含んでて、肩がビクッと小さく跳ねた。 そして徐々に整った顔が近付いてくる。 あ…これは、と思った時にはもう手遅れだ。 俺の唇を強引に奪われた。 『…はっ…んっ』 すると今度は固く閉ざした俺の唇を彼の歯によってこじ開けられる。 その瞬間、ピリッと電流が走るような感覚に襲われた。 『んんっ…っ…ふっ』 頭がグラグラする。 変な声は漏れちゃうし、恥ずかしくて瞳が薄っすら濡れる。 い、いやだっっ。 拒むようにぎゅっと唇を固く閉ざした。 すると望月さんがジロりと恐ろしい瞳で見下ろした。 「……光。 いい加減にしろ。さっさと口を開け。」 そう言い放つと整った綺麗な顔でまたキスを迫ろうとする。 落ち着いた低い声に色気漂うこの大人の雰囲気。 胸がドキドキしすぎて、爆発しちゃうんじゃないかって怖くなる。 でも残念ながら俺は… イケメンとキスがしたいという願望は全くないのだ。 『……っ…ま、ま、待ってください…っ…! その……ご、ご、ごめんなさい。 あの、その……嘘ついてごめんなさい…っ…!』 そう言いながら望月さんとの距離を少しずつ取った。 しかし望月さんは不愉快そうに眉を顰め、離れた分の距離をすぐに埋める。 「もういいと何度も言ってるだろ。 それより……もっとこっちへ来い。」 その表情と声色が怒ってるように思えて、喉が無意識になった。 素直に怖い、そう思った。 『も、望月さ、ん……?』 つい不安で顔色を窺うように名前を呼ぶ。 するとチッと舌打ちし、望月さんが俺の腰を強引に掴んだ。 そして俺の尻にスッと触れたかと思えば、強い力で鷲掴みされた。 『…っっ…ひぃあ!!』 あまりにも急な出来事に情けない声が漏れる。 そしてつい驚きで背中を反ってしまい、彼の局部に当たってしまった。  その瞬間、あまりの驚きに今度は声さえ出なかった。 な、な、な、なぜ? 望月さんの…ア、アレが勃っているのだろうか。 そしてそのアレは……いや。 その凶器は、強張るほどの大きさだって事。 無意識に感触を再確認するように腰を動かしてしまう。 「……っ…」 望月さんの吐息が漏れる。 しかし俺はそれに気が付いてはなかった。 や、やっぱり。 同じ男としてこれは素直に……! う、羨ましいじゃねぇか!! むっとして口元を一瞬尖らしたが、すぐにハッとした。 慌てて望月さんの胸元を軽く突き放す。 『あぁ……そ、そ、そうだった!! お、おれ…今日が初めての仕事…で…!! 一応…性行為禁止されてるの…知ってますよね? あ、まず俺…っ…ゲイじゃ、ないので…っ…っ』 アハハ、と笑って見るけど、望月さんは無表情でビクりともしない。 むしろ眉を深く顰め、俺をただ見下ろす。 すると望月さんの口元がゆっくりと動いた。 「……俺もだ。男などに興味はない。 光。そんなことよりも金が必要なんだろう?」 『え……あ、はい、』 「なら俺が光を買う。 だからもう俺のもんだ。……分かったか?」 そう言って悪魔のような笑みを浮かべる。 そして俺の前髪を掻き分けて、額にキスを落とす。 頬……首筋……と。 俺は息を止めて目を瞑っていた。 すると望月さんが少し膝を屈め、俺の股間に恐凶器を擦りつけた。 さすがに目をガッと見開いて頬が染める。 『ちょっ、あ、当たって、る…って…!』 「ばかやろー、当ててんだ。」 耳元でそう囁くと俺のをスボン越しに触れた。 そして慣れた手つきでズボンの中に手を突っ込む。 『なっ!なにして…っ…!!……あっ…っ… む、むりっっ、本当に無理だってばぁっ…ん』 自分しか触れたことがない性器を触りながら耳たぶを舐めたり吸われたりする。 初めて味わう刺激に情けなくも声の色が変わっていくのが自分でも分かった。

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