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プロローグ (2)

『ひゃ…っ…やあっ…んん』 快楽の波が襲ってくる。 甘ったるい自分の声が恥ずかしくて望月さんにしがみついた。 「……さすがビッチだな? いい声で鳴くじゃねぇか、おいっ」 その言葉に俯いていた顔を慌てて上げた。 たしかに自分でも無意識に出てしまう声には驚く。 ……でもっ。 俺だって好きで出してるんじゃない!! 涙目でギロッと睨みつける。 しかし視線の先には冷めたい目で見下ろす彼。 まるで軽蔑したような、そんな瞳だった。 俺の喉はカラカラで縋るように大きな声で言う。 『ち、違うってば…っ…!! さっき言ったっ!!謝ったのに!!』 瞳からひと粒の涙が無意識に流れた。 「あぁ。たしかにそうだった。 でもこんなにあんあん喘ぎやがって……くそっ」 あきらかに不愉快そうに眉を深く顰め、舌打ちした。 そして性器を握る手に力が入り、少しばかり痛みさえ感じる。 『ち、ちがっ…んっ、もう、やぁっ…っ…』 痛いのに、身体はおかしい。 その先の快感を知りたいなんて、おかしな事を考えてしまう自分がいた。  だからそれを見透かしてる望月さんは更に冷たい視線を向ける。 い、いやだ、もういやだ…… 『んっ……も、望月さ、んっ』 「…………」 『……ご、ごめん、なさい…っ…』 ちゃんと弁解したいのに、息が乱れて上手く喋れない。 とりあえず今はこの快感に堪えるしかない。 しかし望月さんはゆっくり動かしていた手を徐々にペースを上げる。 ずっとゆっくり動かされたせいで、俺の性器は先走りでぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てた。 『だ、だめっ、それ…っ…でちゃ、うっ…っ…』 「ハッ、この淫乱が。」 その言葉に迫っていた快楽は一度ストップし、今までにないほどに睨み上げた。 しかしこんな涙を溜めて頬を染めながら睨みつけられても効果なんてないのだろう。 更に手を動かすスピードを速められ、まるでぐちゅぐちゅと音を聞かせるようだった。 『んんっ! んはぁ、だめぇっ……もぅっ、むり…あっ!!』 「……じゃあ、いけよ。」 耳元そう囁かれ、そのまま俺の軟骨を甘噛みされる。 その瞬間、俺の背中にゾクゾクと電流が走った。 そして言葉にならない声と同時に彼の手のひらに全てを吐き出した。 なんで、こんなことに…っ…… 意識が朦朧とする中、色っぽく笑う彼の姿が見えた。 でも不機嫌ではないその姿にホッとし、不覚にも胸が高鳴ってしまう。 そして片手で俺を引き寄せると、首元を強く吸いついた。 そして重くなった瞼がゆっくり閉じる時、望月さんの口元が微かに動いた。 『ーー 光は、俺のもんだ。』 でもその言葉は…… 俺が意識を手放してしまった後のことだった。

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