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3.物語本編 01
〇南極・海岸
N 「三月――。南極の短い夏は終わりを告げる」
広がる真っ白な氷の大地の向こうに、砕氷船「しらせ」が接岸している。
しらせを背にし、荷物を抱えた一団(第60次越冬隊)が立っている。
主人公の温井 心 は、それを見送る一団(第61次越冬隊、約30名)の中にいる。
先輩調理担当「温井くん、これ、俺の包丁置いてくから」
先輩調理担当「南極観測隊の胃袋は君に任せた!」
温井、布に包まれた包丁を受け取る。
そして涙ぐみつつも決意の表情。
温井「はい!」
温井「これから一年間、みんなの健康は僕が守ります!」
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