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温井をひざの上に抱えたまま、北畠は彼のコートのファスナーを下ろし懐に手を入れる。
温井M「えっ?」
北畠が温井を見上げ、また視線が絡み合う。
温井「北畠さん……あの……」
ゴクリと唾を飲む温井。
しかしまばたきして目を開けると、北畠は温井の懐から弁当箱を取り出しただけだった。
北畠「これ……」
温井「……あ。なんだ、それのこと……」
北畠「いい匂いがしたから」
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