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第6話

満足げに微笑んだ新城は、瑞希の手の中で一層硬さを増した昂りを後孔に押し付けてきた。 待ち望んだ快楽を前に全身が鳥肌を立てて悦ぶ。 しかし、瑞希はすぐにハッとした。 貞操帯の中に押し込められた屹立がぱんぱんに膨らみ、はち切れんばかりの状態で鬱血している。 このまま挿れられたらどうなるか。 考えただけでゾッとした。 「待て…これ、外してな…」 瑞希は慌てて股間に手を伸ばし、なんとかそれを外そうとカリカリと引っ掻く。 しかし瑞希の訴えも虚しく、男は酷薄な笑みを浮かべるとひっきりなしに口をパクつかせる窄まりに熱い楔をあてがった。 「すぐに外して差し上げますよ…挿れてから、ね」 ズン…と衝撃が走り、巨大な異物が容赦無くそこに埋められた。 熱い肉を掻き分けて、狭い場所を一気に抉じ開けられる感覚に息が止まる。 壮絶な快楽に目の前は一瞬でスパークし、気がつくと下半身がガクガクと痙攣していた。 何が起こったのかわからずに恐る恐る繋がった場所を見下ろす。 そこはまだきっちりと貞操帯の中に閉じ込められていた。 しかしだらだらと涎のような汁を零してはいるものの、そこから射精をしたような気配がない。 「…ぁ?…っ?」 パニックになっている瑞希に男が妖しく囁いてきた。 「あぁ、挿れただけでイったんですね…しかもドライで…」 挿れただけでイった?ドライで? 嘘だ、有り得ない。 瑞希は瞠目しながら法悦の残滓の残る下腹部と、新城のニヤついた顔を見つめた。 。 SM クラブのオーナーであり支配者でもある。 そんなあさましくていやらしい身体なはずがない。 しかし新城はそれを瑞希に判らせるように、奥をめがけて潜り込んでいた昂ぶりをズルズルと引き抜きはじめる。 「あぁ…いやっ…やだぁ…っあ」 快楽を取り上げられる感覚に、途端に縋るような言葉が衝いて出た。 散々焦らされ続けた瑞希の身体は、まるで飢えた獣のように貪欲になってしまっているのだ。 腰を浮かせ男根を追いかけるような動きをする瑞希を、口元を綻ばせた新城が見つめている。 躾けられてしまっている事をまざまざと感じさせられて、悔しくてたまらないのにどうしていつも逆らえないのだろうか。 そんな事を考えていると浮いた細腰がガッチリと掴まれた。 そしてギリギリまで引き抜かれていた男根が一気に最奥目掛けて突き上げてきた。 「あぁっ…はっ、あぁあぁんん!」 深くなる挿入に、再び目の前が真っ白になる。 「瑞希は優秀なマゾですね…それに…もうすっかりだ」 屈辱を煽るような言葉を囁かれてカッとなる。 「ちが…あぁ、あ、あん…あんっ」 しかし待ち侘びた快楽と、被虐欲で、喘ぐ声が甘くなっていくのを抑えることができない。 「違わないでしょう?ほら、こうすると中が締まって離さない。もっとしてって泣いて喜んでる。前も触らずにイけたでしょう?」」 新城の律動に合わせて、中がグニュグニュと蠢き肉棒を離さまいと媚肉がうねる。 「いっ…いや…っあぁん……」 膝裏を掬われ、更に腰を持ち上げられると繋がった部分が目の前に晒された。 つるりとした股間では新城の筋張った男根が、窄まりの襞を捲りあげながら出たり入ったりを繰り返している。 太い幹のような肉棒は、互いの体液でぬらぬらと光っていた。 その凄まじく卑猥な光景に耐えきれず、瑞希は真っ赤になると顔を逸らす。 しかしすぐに顎を掴まれると、強引に戻されてしまった。 「だめでしょう?ちゃんとどうなってるか見ていないと。ここを剃られて、貞操帯を嵌められたまま、挿入だけでイってしまったあなたのいやらしいここを…」 新城はそう言いながら、見せつけるように腰を動かしてきた。 揺すられる度に聞こえてくる粘着質な音と時折見える粘ついた糸が、瑞希の被虐を更に煽ってくる。 「あ、あぁん…はぁ…あっあっ」 「誰が入ってるんです?」 瑞希の中を探るように、ゆったりと動きながら新城が訊ねてきた。 「んっ…ん、ん、ん」 そんな事わかりきっているくせにどうして言わせたがるんだ。 瑞希は唇を噛みしめると首を左右に振った。 「瑞希の中に、今、誰が入ってるか、言って」 サディストのくせに。 いつも威圧的に命じて、無理矢理言わせてくるくせに。 どうして今日はそんな懇願するような声で頼んでくるのか。 「瑞希、言って」 男はまるで甘えるような声色で囁いてきた。 耳殻と理性を嬲られて、瑞希は頑なに閉じていた唇を開く。 そして掠れた声で呟いた。 「…し、…しん…じょう…いちたか…」 ドキドキと心臓の音がする。 口から飛び出してくるんじゃないかと思った。 すると下肢から小さな解錠音がして、それまで締め付けられていた窮屈さが突然消えた。 ホッとしたのもつかの間、下腹部で押し留められていたマグマが競い合って昇ってくるのを感じて瞬く間に焦燥に駆られていく。 貞操帯が外されたことによって、体内で暴れまわっていた快楽が出口を求めて一気に精路に集まってきたのだ。 灼けつくような下腹部の熱さと襲い来る怪物級の快楽を前に、身体よりも先に思考が恐怖を感じはじめる。 「いや…っやだ…ぁ、何…っうそだ…あぁあ…やだぁ」 わけのわからない言葉を吐きながら、瑞希は新城の首に必死になってしがみついた。 「いいですよ…全部出して」 深い挿入からの小刻みな動きも合わさり、その律動と一緒に、密着した男の腹部で陰茎が擦られる。 首筋をや胸に這う舌の刺激も加わって、瑞希は半狂乱になりながら叫んだ。 「こわいっ…っあぁあ…こわい、こわい…新城…っ…ぁうっっ」 ギシギシとスプリングが軋み、肉のぶつかる音と瑞希の啜り哭く声が響く。 広い背中に爪を立て、しがみつきながら瑞希は無意識に唇を強請った。 「ん、んっっ…ん、ん」 荒っぽくて貪るような濃厚な口付けにまた身体が蕩け、男根の深度が深まる。 「瑞希…瑞希」 耳元で男がしきりに名前を呼ぶが、瑞希の耳にはほとんど届いていない。 迫りくる快楽の大波に頭から丸飲みにされたような衝撃の後。 「い…く…っ」 か細く告げた瑞希は溜まりに溜まっていた欲望を手放した。 「あぁぁあああ…いく…あぁぁ、いくぅ…ひいぃぃっ」 悲鳴のような声を上げながら腰を高く突き上げると、屹立から蜜を噴き上げる。 足先でシーツを蹴り、全身を何度も痙攣させながら二度、三度と射精した。 そのオーガズムといったら、言葉にできないほどだった。 瑞希が盛大に達したのと同時に男の昂りが後孔からずるりと引き抜かれる。 新城は濡れた自分の陰茎を片手で支えると低く呻き、生暖かいものを瑞希の鼠径部に滴らせた。 眉根を寄せた男臭い新城の表情に身体の奥がずくりと疼く。 下生えのなくなった瑞希の股間では、二人分の精液が肌を汚していた。 「今後他のマゾを紹介するような発言は一切しないでいただきたい。こういう事をするのはあなただけと決めているので」 まだ肩で息をする瑞希を覗き込みながら、男が真剣な眼差しできっぱり告げてくる。 そしてすぐに畳み掛けてきた。 「それから、しばらく仕事が立て込んでいて明日から来れなそうです。ですが、ここを自分で剃ってはいけませんよ?あと、自慰行為も禁止です。瑞希に触れていいのは俺だけだ」 「な…っ」 いきなり次々と身勝手な事を言われて瑞希は絶句した。 まるで瑞希は自分のものだとでも言いたげな発言にカッと頭に血が上る。 こんなセリフ信じるな。 頭の中でもう一人の自分が警告してくる。 どうせ誰にでもこんなことを言っているに違いないのだから。 悪態を吐こうとして、思い止まった。 少しの間逡巡すると、男の襟元を掴み強引に引き寄せる。 目の前にやってきた形の良い唇に素早く口を重ねると、すぐに突き放した。 「言っておくが僕は待てはしない主義だ。だから」 つっけんどんに言い放つと、瑞希はプイとそっぽを向いた。 可愛くない態度なのはわかっているが、どうやったってこの男の望む従順にはなれない。 いや、絶対になってなんかやるもんか。 「全く…高慢な方ですね」 新城は呆れたような、しかしどこか嬉しそうな声色でそう言うと、真っ赤になった瑞希を再びシーツに縫いとめた。 そしてまた妖しく囁くのだ。 頑なな瑞希の心の鉄壁を崩す一言を。 「会えない分、これからたっぷり躾けてさしあげます」 高慢なマゾヒスト〜剃毛プレイはいかがですか?〜 end.

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