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第181話 それぞれの夜 1

注)ここからしばらくタケル&のぞむ(お忘れでしょうが・・・)のお話になります。 しばしのお付き合い、よろしくお願い致します。 ──出張前日、のぞむのアパートにて 「のぞむさん、俺、明日から4日間、涼太さんと出張一緒なんですよ」 ──ベッドの上に座ったのぞむを、後ろからを囲うように抱きしめながらタケルが話し出した。 「え!?涼ちゃんと一緒なの?めっちゃいいじゃんタケルくん!俺も久しぶりに涼ちゃんに会いてー・・・」 ──振り返り、タケルの顔を見て、のぞむは羨ましそうにしている。 「病院一緒なのに、研修先が違うから山田とも全然会えないんだよね。つまんね」 「今度一緒にメシでも行きますか?ふたり誘って」 「そうだね。あ、新居にまだ行ってないから今度押し掛けてやろっか?」 「青さんにまた怒られますよ」 「だーいじょうぶだって!」 「じゃあ、涼太さんに聞いときます」 ──タケルと向かい合って座り直したのぞむが、自分のシャツを脱ぎ捨てた。 「タケルくん、涼ちゃんに手出したらダメだよ」 「出すワケないでしょう。のぞむさんと一緒にしないでくださいよ」 ──のぞむの首筋から胸に唇を這わせながらタケルは答える。 「もしタケルくんと涼ちゃんに何かあったら、俺どっちに嫉妬していいかわかんないからね」 「・・・まだそんな事言ってるんですか。涼太さんを抱くの、諦めたんじゃなかったんですか?」 ──呆れたように溜息を吐いたタケルは、のぞむの中心部に手を伸ばした。 「っ、そうだけど、涼ちゃんは特別なんだって。タケルくんだってそう思うだろ?」 「・・・まあ。・・・でも、もうあんたは俺以上の相手なんていないんじゃないですか?」 「ほんと不遜だよね、タケルくんって・・・うっ!」 ──突然、後ろに侵入してくる異物感に体を震わせるのぞむ。 「まだパンツも脱いでないんだけど・・・。なに挿入れたの?」 「自分で確認してみてください」 ──のぞむは後ろを手探りで確認すると、下着の隙間から球状の物が連なり、そのうちのひとつが自分の中に入っている事がわかった。 「アナパ?」 「正解です。のぞむさん、最近オモチャにハマってますよね?付き合ってあげますよ」 ──タケルはローションをのぞむの後ろにかけ、2つ目の珠を押し入れる。 「っ!・・・ふ・・・っ、パンツにローションついちゃったじゃん」 「ああ。そっちの方がイヤラシイかと思って」 ──続けて残りの珠を立て続けに挿入されて、膝立ちになっているのぞむの足はフルフルと震えていた。 「5つ全部入りましたよ。まだ脱がないでくださいね」 「ん・・・」 ──仰向けに寝かされて、のぞむの形を確かめるように、下着の上からタケルの舌が這う。 「柔らかい。やっぱりまだ尻だけじゃ感じませんか?」 「・・・っ、そんなこと、ないけどっ。タケルくんの指、じゃないと・・・っ」 「ほら。やっぱり俺じゃないとダメなんじゃないですか」 そう。タケルくんじゃないと、俺は・・・ ──下着の上からタケルに咥えられて、前からの快感と後ろの異物感とで、張り詰めた熱がのぞむの中心部へ集まってくる。 「ふっ、・・・っ・・・っ」 「声、なんでいつも我慢するんですか」 「だ、って、タケルくんが、萎える、っかと」 「・・・バカなんですか?」 「ひっ!あ、ぁあっ、あ、ああっ」 ──後ろから一気にビーズを引き抜かれ、強い刺激に我慢できず、のぞむは思わず声を上げた。 「はぁっ、はぁ・・・」 ──タケルはのぞむの下着を脱がせ、自分の下着を下げ、ゆっくりとのぞむの中へと侵入する。 「あっ、んんっ」 ──弱い所をタケルの先端で擦られ、のぞむは身を捩らせる。 「どうですか?あんたの声で俺が萎えたかどうか、確かめてくださいよ」 「ん・・・っ、萎えて、ない・・・」 「のぞむさんが思ってるほど、俺は軽薄な人間じゃないですよ」 ・・・わかってる。でも好きすぎると、不安になることも大きくなっていくんだよ、タケルくん。 「あんたが望むなら、オモチャでもなんでも俺が使ってあげます。だから安心して俺だけに溺れてください」

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