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エピローグ
翌日の月曜日。
普通に授業を受けて帰ろうとすると、校門の所に説明会の時のお兄さんがいた。
お兄さんは僕を見付けると、軽く手を上げる。
「やぁ。ちょっと話があるんだけど、研究室に遊びに来ないかい?」
「研究室に行って良いんですか? ぜひ行きます!」
歩いて行くのは大変だからと、まずはお兄さんの車があるパーキングに向かった。
途中の掲示板に『知らない人に付いて行ってはいけません!』って書いてあったけど、迷子になった所を助けてくれた人だから良いよね。
* * *
お兄さんは車の内で、色々な研究について話してくれた。
どの話もとっても面白くて、大学に着いたのはあっという間。
「そうだ……君に謝らないといけない事があるんだ」
「え? 何ですか?」
僕が首を傾げると、お兄さんは申し訳なさそうに話し始めた。
「昨日君にあげたドリンクなんだけどね……間違って、今研究中の物をあげちゃったんだ。だから、あんまり効かなかっただろう?」
「そんな事はありませんよ。兄ちゃんもおじさんも、凄く元気になりましたよ?」
「へぇ、男が元気に……それは良かった」
お兄さんが嬉しそうに目を細め、ニヤリと笑う。
「……研究室へ案内しよう。こっちだよ」
「はーい」
お兄さんが歩き出し、僕はお兄さんに並んだ。
「少し、話をしようか。――君にあげたドリンクはね、今極秘で研究している薬なんだ」
「極秘?」
「そう。あぁ、でも身体に害は無いから、安心して」
お兄さんの説明を聞きながら歩いていると、かすかに甘い匂いが漂ってきた。
この匂い、どこかで嗅いだような……
「あの薬を飲むと、二種類の反応が表れるんだ。便宜上『雄』と『雌』なんて呼ばれている」
前に進めば進むほど、匂いが強くなってきて、頭がボンヤリとしてくる。
「君はどうやら『雌』の反応が出ているようだね――『雄』と『雌』はそれぞれ特殊なフェロモンを出すようになる。そして『雄』は『雌』のフェロモンに、『雌』は『雄』のフェロモンに反応するんだ」
次第に興奮してきた僕は、自分の身体を抱き締め、荒く呼吸をした。
身体の内が熱い。
お尻が疼く。
「『雄』と『雌』が互いのフェロモンを感知すると、それぞれの生殖本能が刺激される。――もうわかっただろう? 君にあげた薬は『発情ウサギ 』――簡単に言ってしまえば『媚薬』だ」
お兄さんがある部屋の扉を開けると、甘い濃密な香りが僕を包み込んだ。
ズボンの内で興奮して張り詰めた自身が、ジワリと先走りを漏らす。
「通常なら99%の確率で、自分の性別と同じ反応が出るんだけど……君は希少な1%らしい。ぜひとも、私達の研究に協力して欲しい」
僕の肩に手を置いたお兄さんが、僕を研究室の内へ促す。
内では白衣を着た男の人達が、ギラギラした目で僕を見ている。
僕はゴクリと喉を鳴らした。
「手始めに、何人と性交できるか検証しよう。――みんな、君とセックスをしたがっている」
「――うん。いっぱいシよう?」
……END.
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