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アイのカタチ(手塚×不二)

 愛の形なんて人それぞれ。そんな記事を見たのは何の雑誌だったか。 「愛なんて、良く分からないよ」  それも、また愛だと、こいつは分かっているのだろうか。良く分からないと言いつつ、俺にすれば愛だと思う言動で俺を惑わせている。それに合わせてる俺も、愛に溺れてるのだろう。 「ねぇ、手塚ってば聞いてる?」 「あぁ」 「本当に?」  ほら、お前がそうやって首を傾げながら上目遣いで問うのは、前に俺が好きだと言ったからだ。なら、それも愛の一つじゃないか。俺は、そう思う。 「不二」 「ん?」  不二の顎を支えて、視線を縛る。柔らかい唇に、自分の唇で触れた。 「お前がどんな形を好むのか知らんが、」 「……うん……?」 「俺は、これが俺なりの愛の表現だ」 「っ!?」  今まで長い間、振り回した。振り回された。それでも、それが俺の、俺達の愛の形だと思っている。 「何があっても、これからもずっと俺達はこのままだ」 「……うん、そうだね」  俺達は、俺達の道で、俺達のペースで、これからも。 END 同人活動10周年(当時)記念ページ。

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