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ROSE(忍足×跡部)

「……なんや、これ」 「気に入らねぇのか? 薔薇のベッドだぜ」 「アホか。跡部やないねんで、気が散るだけやないか」  目を輝かせた跡部が開いたドアの先、寝室のキングサイズのベッドには大量の薔薇の花弁が敷き詰められていた。真紅に染まったシーツが目に痛い。 「ここで俺様を好きに出来るんだぜ? 感謝しやがれ」 「あーはいはい、おおきになー」  ベッドの薔薇をシーツごと床に落とす。宙に舞った赤が、やっぱり痛い。 「跡部」 「ん?」 「ほんまに、おおきに」 「どうしたんだよ、急に」  マットに押し倒した体が赤みを帯びる。薔薇とは違って、惹き付けられるピンクの肌。 「気持ちは、めっちゃ嬉しいねん」 「あぁ」 「今でも信じられへんねん……跡部が俺の傍におるんが」 「ばーか」  コツン、と背中に回った手が後頭部をはたく。彼の伊達眼鏡がずれ落ちて傾いた。 「しつけーよ。俺様が傍にいたいって言ったんだろうが」 「……景吾」  カシャン、と眼鏡が床に落ちる。赤が宙に舞う。赤の隙間から、色気が彼を射抜く。思わず、その体をきつく抱き締めた。 「これからも、一緒におってな……」 「あたりめーだ、ばか侑士」 「……おおきに。愛してる、景吾」  最高級の誕生日プレゼントを胸に噛み締め、二人はどちらともなく口付け合った。 END 忍足誕2011。

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