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きらきらひかる(忍足×跡部)

「あかんわぁ……」  ある日の部活中。誰に聞かれるでもなく、忍足はポツリと呟いた。 「あれはマズいやろ……」  その視線の先は、後輩に指示を出している部長の跡部。 「エロ過ぎや跡部……」  汗が伝ううなじは太陽の光に照らされて輝き、彼のカリスマ的オーラと見事なコラボレーションを生んでいる。 「これは危険や、行かな」  そのセクシーな姿に、誰も心配するほど気にしていない事に気付かず、忍足は余計なお世話を焼きに歩き出した。 「跡部ー、ちょっとええ?」 「あん?なんだよ忍足」  跡部の肩を抱き、引きずるようにその場を去る。唖然とする後輩達に適当に指示すると、コートを抜ける。 「あんだよ、忍足」  ロッカールームに入るなり、やはり跡部は身体を離して眉間に皺を寄せた。しかし忍足は怯む事なく、ヘラヘラとした笑顔のまま跡部を壁に押し付けた。 「あかんやろ」 「は?」 「自覚なさすぎやねん」 「忍足……?」  跡部の首筋を伝う塩味の雫が、忍足の舌に舐め取られる。ぞくりとした感覚が、跡部の背中を駆けた。 「ほんまは今日、跡部の誕生日やから真面目に誕生日プレゼントあげよう思ってんけど、ちょっと変更」 「……なに、すんだよ」 「んー……内緒」  度の入っていない丸眼鏡が、ゆっくりと外された。 (あ、これでもちゃんとお祝いするで?) (ばーか) END 跡部誕2012。

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