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6話

◆◆◆ 一頻り楽しんだ司を見て個人的に満足した本郷。そのままホテルへと行く事にした。 「家に泊まればいいのに」と言う春霖に「ここは察してよ」と耳元で小声で言う。 春霖はその言葉に「ああっ」と何か分かったような表情をして「日が落ちる頃に迎えに来るよ、BBQしよう」と言うと2人を残して帰って行った。 2人一緒にチェックインして鍵をそれぞれ貰う。 部屋は最上階で司と本郷は隣同士の部屋。 本郷の部屋が1番角部屋で司がその隣。 エレベーターに乗り込むと司が「部屋別々なんですね」と小さく言った。 その言葉に本郷はニヤリと笑い「一緒の部屋が良かったのか?」と言う。 本郷に聞かれ、自分が大胆な事を言ってしまったのだと気付き「あ、いや、その、経費削減とか」としどろもどろで答えた。 その可愛い言い訳に本郷はまたニヤリとする。 エレベーターのドアが開き、降りる。 司の部屋で本郷は彼の耳元で「部屋を1個空けた方が隣に迷惑かけずに済むだろ?」と囁く。 その意味を瞬時に理解して耳まで赤くする司。 「荷物置いて、着替えたら部屋へおいで」と頭をポンと軽く叩くと本郷は自分の部屋の前へと行く。 同時に部屋のドアノブに鍵を差し込み開けて中へと入る。 司は大胆な事を言ってしまった事と本郷に囁かれた事で顔の火照りがまだ取れない。 部屋を1つ空けた方が……。確かに本郷の部屋は角部屋だ。両隣を気にする事をやるという事になる。 司は持ってきたキャリーから服を出してラフな格好へ着替える。 着替えている間もドキドキが止まらない。 一緒に出張って聞いた時にもしかしたらって思っていた。 今、自分が考えている事をするんじゃないかっていう期待。 いつだったかの雨の日。司は本郷の部屋でキスされて気持ち良い事をされた。 気持ち良い事と言ってもキスされて互いに裸になって、本郷にフェラされていかされて、最後まではしていない。 あの日以来たまに本郷に部屋へ寄り、キスを沢山したけれどまだセックスはしていないのだ。 それは司がまだ慣れていないから。 男同士のセックスは何かと大変だ。 後ろを慣れさせないといきなり挿れると傷つけてしまうし、最悪壊れてしまう恐れがあるから。 だから、本郷の部屋でいつも指だけでいかされていた。本郷の処理は素股かもしくは司のぎこちないフェラで終わらせていた。 「本郷さん……我慢強いよね……」 自分も男だから分かる。本当はぶち込んで腰を振りたい。 本郷はどんなセックスをするのだろう? キスは優しいし上手い。司を直ぐにいかせてしまうテクニックの持ち主。 流石!大人!!と司はいつも思ってしまう。 理性を保っている本郷が理性を失う事ってあるのだろうか? 司はそれをみたいと思う。 どんな風に自分を抱くのか体験したい。 色んな事を考えると顔が火照り頭から水をかぶりたい気分になる。 コンコンコンとノックの音。 司は我に返る。 「司?どうした?」 本郷の声がドアの外から聞こえる。司は慌ててドアを開けた。 「遅いからどうしたのかと思ったよ」 ドアを開けた司に微笑む本郷。 「えっ?そんな時間経ってます?」 「うん、20分」 「は?えっ?」 司はほんの5分くらいだと思っていたので自分でも驚く。 「あ、えっと、考え事してて」 そう言って司はふいに本郷とセックスする自分を何故か想像してしまい顔が赤くなるのを感じた。 赤い顔でしどろもどろな司を見て本郷は彼が何を考えているのか瞬時に分かったようでそのまま司の部屋へと入った。

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