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3.ずっと友達、でもさようなら
「てきぱきやんないと、すぐに引越屋がくるぞー」
「そうだな」
笑っている清隆にぎこちないながらも笑顔で返す。
翌朝。
清隆は普通だった。
昨日のことは冗談だ、ちょっと悪酔いした。
ごめん、気にしないでくれ。
そうあやまられてほっとしたし、俺も気にしないことにした。
「じゃあ、元気でな」
「ああ、おまえも元気で」
清隆は結局、空港まで見送りにきてくれた。
昨日のことはなかったかのように、笑顔で手を振って別れ、次会うときもちゃんと友人として会えると思っていたのだ……けれど。
飛行機を降りて携帯をチェックすると、清隆からメッセージが届いていた。
【ごめん、弘通。
俺、おまえに嘘ついた。
昨晩のことは冗談じゃない、本気だ。
本気で弘通が好きだった。
気まずい別れが嫌で今朝は誤魔化したけど、もうおまえとは以前の関係には戻れない。
だから、お願いだから、今後二度と、俺に連絡しないでくれ。
ほんとにごめん。
陰ながらおまえの幸せを、いや、俺なんかに祈られても迷惑か。
ほんとにすまなかった。
じゃあ】
今朝の、清隆の笑顔を思い出す。
……おまえ、また無理していたんだな。
俺の方こそ、ごめん。
全然、迷惑なんかじゃないぞ、おまえの気持ち。
俺もおまえの幸せ、祈っている。
……こうして俺は、大事な友人を失った。
【終】
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