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寛也「三村様、当ホテルではそのようなサービスは請け負っておりません。ご遠慮ください」
寛也がにっこりと笑う。
三村「こいつが自分から誘ってきたんだ。ここはどんな従業員を採用しているんだ?」
智之「違っ……」
三村に指を差され、智之が涙目で寛也を見る。
寛也「三村様、当ホテルでは“防犯”のため廊下に数台の防犯カメラを設置しております。依って……あんたが、こいつの手を掴んで部屋に引っ張り込む姿は証拠として撮ってあるんだよ」
怖い表情で寛也が言う。
三村「なっ!」
寛也「あんたもどこかの社長だろ? もっと頭使えよ。バレないとでも思ったか?」
寛也が智之の腕を掴んで立ち上がらせ、ギュッと抱き締める。
三村「う、訴えてやる、こんなホテル!」
寛也「どうぞ? 勝つのはこちらだ。他にも証拠があるからな。それに、あんたは出禁だ。ご利用ありがとうございました」
智之の肩を抱きながら寛也は部屋から出る。
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