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青い鳥は王とイチャつきたい_07

「なにも考えずに生でヤッてサーセンっした!」  ティッシュで体は簡単に拭けるけれど、塞き止めるものがなくなった白金の中からはとろりと俺の精液が溢れ出している。その姿があまりにえっちすぎて股間にクるため直視出来ず、ソファーから勢いよく下りてパンツ一丁で土下座をする。  しばしの沈黙を破ったのは、ふっと小さな笑い声。ゆっくり視線を上げると、シャツだけを羽織った白金が優しく微笑んでいた。やっぱり白金って天使じゃね? 「お前が謝ることはないだろう。俺様だって直接渋谷を感じたかったのだから、気にするな」  は? 直接俺を感じたかった? えっっろ。かっっわいい。なんなんだこの天使は。もしかして誘ってる? 三回目のお誘い? 俺は白金相手なら四回でも五回でもなんなら六回だってイけるぞ!  あまりの可愛さにガバッと白金の両足に抱きついてしまった。 「っんンっ……ばか、いま抱きつくなぁ……っ」  とろー、抱きついた衝撃で中から精液が太腿へと伝う。うっっわ、だから、エロすぎるって。正直二回じゃぜんぜん収まらないのに、また下着の中でぱんぱんに腫れ上がってしまった。 「……お前、もしかして我慢してるのか」  白金の視線を辿ると、俺の下半身をチラチラ見つめている。直視するのは恥ずかしいのか、ほんのり頬まで染めている。さっきまで白金の中をズコバコ突いていたというのに、その恥じらいはなんなの。可愛いかよ。 「えっっ?! んなことねえ……って言い張るには無理すぎるよなー、この勃起具合は。いやー、やっぱ白金好きすぎて、可愛すぎて、エロすぎて、二回じゃたりねーつーか、何回シても好きがあふれて止まんねーし。だから、俺のことはいいんだよ。あっ! そうだよ、シャワーあるじゃんか、そこで掻き出してやるよ」  いいこと思いついたと脱ぎ捨てていたシャツを羽織り、スラックスを履きながらソファーに乗り上げる。  百花のバスケ部は名門だ。他の部活動より優遇されているため、バスケ部専用のシャワールームがある。もう部活は終わっているから貸切状態――俺、チアキみてーにちゃんと掻き出せるかな。「きみは盛るでしょ? だから入ってきたらだめだよ」あの時はチアキが気絶した白金をお姫様抱っこしてバスルームに行った。たぶん、気絶していても白金は感じていたのだろう、白金とともに帰って来たチアキは血の涙でも流しそうな勢いでぐったり疲労していた。可愛すぎる白金を前にして、盛っていながらも無心で掻き出せるチアキは『なにもかも我慢しない』と言った男とは思えない。  白金をベッドに下ろしたチアキは「ちょっとシャワー浴びてくる」にっこり微笑んでバスルームへと駆け込んだ。たぶん、一人で抜いたとしか思えない。 「……チアキみてーに我慢できるかわかんねーけど」 「どうしてそこで千昭がでてくる?」 「三人でシた時、白金気持ちよすぎて気絶しただろ。で、あのあとチアキが一人で掻き出したんだけどよ、白金が可愛すぎてムラムラしただろうに、無理やり突っ込んだりしねーで我慢してたんだよ。偉いわマジで。俺だったらビクビクしてる白金を前にして我慢できると思えねーし……あー、チアキすげーよな、敵わねーわ」  ティッシュでぐちょぐちょになった性器を拭いて下着を履いた白金は「それは俺様が気絶していたから我慢しただけだろう、俺様が起きていればきっと千昭も盛っている」大真面目な顔でさらりと言ってのける。  チアキに敵わないと落ち込みかけた俺を白金は安っぽい慰めの言葉をかけずに、一気に浮上させる。やっぱり白金は俺たちの王様だ。 「俺様はお前たちの恋人だぞ。だから我慢する必要なんてない。渋谷が満足するまでつき合ってやる……気絶したら、その、許してくれ」  きゅん! 堂々とした王様節から恥じらいまでつまった愛の言葉に胸が高鳴り、勢いよく白金をお姫様抱っこする。 「っば、ばか、中からでるぅ……っ」 「あー、えっろい、シャワールームまででねえようにきゅって締められるか? パンツぬれぬれのぐちょぐちょになっちまったらノーパンで帰る羽目になるかもよ、マジでエロいな」  誰のせいだ誰のとばかりに白金は潤んだ瞳で睨んでくる。はーい俺のせいでーすとゆるく口角を上げ、ちゅっちゅっとピンクの唇にキスを何度も落とした。ただ触れるだけのキスなのに、白金はふるりと体を震わせる。中からこぼれないようにきゅっと締めているせいなのか、体がめちゃくちゃ敏感になっているのかもしれない。あー、可愛い、めちゃくちゃにぶち犯してえ。 「んはぁ……っ、はやく、シャワールームへつれていけ、これは、王のめいれいだ、……っ」  眉根をきゅっと寄せ、甘い声を震わせた白金は肩口に凭れかかり「っは、ぁ……っ」完全にえっちの最中を思わせる色っぽい吐息を漏らした。  脳と股間に響く色っぽさにクラクラしそうになるけど、ぐっと堪えて白金の髪へ口づけを落とす。  あー、この白金誰にも見られたくねえ。男が見たらぜってーフル勃起する色っぽさあるぞ。百花で一番モテるバスケ部員たちだって、ただ顔を見ているだけでギンギンになるって言っていた。じゃあ今のえっちな顔を見たらどうなるわけ? 襲いかかったりすんの? は? 許せねーんだけど。 「シャワールームまでダッシュで行きてーけど、白金つらいと思うからすっげーゆっくり行くから。そのかわり、そのえっちすぎる顔はちゃんと隠しといて」  ちゅっと金色の髪に口付けると、白金は恥じらいがちに俺を見上げてくる。えっちすぎると言われたことが恥ずかしかったのかもしれないけど、とろけた顔で上目遣いは反則。 「……お前はいつも俺様を気遣ってくれるな、ありがとう」  こくりと小さく頷いた白金が肩口に顔を埋めてくる。あまりの可愛さにフル勃起余裕ですありがとうございます。チアキのように冷静になれ俺。せめてシャワールームまで頑張れ俺。  血の涙を流しそうになりつつ、シャワールームへ着いた瞬間、白金の服をひん剥いていたことはチアキに内緒にしようと誓った。

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