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第1話
僕には誰にも言えない秘密があった。
「何故あの綺麗なご両親からこんな醜い子が産まれたのだろう」
そう陰口が聞こえた。
僕は自分の容姿が優れていない事は知っているが、だらか何なのだと思う。
確かにDNAは両親が両親だと認めてくれていた。
あまりに容姿が違うからと検査に出されたのだ。
両親は急な事故で他界した。
僕はまだ十歳。子供だ。父は王だった
しかし子供の自分には何も出来ず、政治の全ては伯父が取り仕切る事になった様だ。
僕は山奥のひっそりとした城へと追いやられ、そこで数人のメイドと執事が面倒を見てくれる事になった。厄介払されたのだろう。
メイドと執事も伯父に良い顔をしなかった者をまとめて厄介払したのだ。
そして城の周りは魔物や獰猛な野獣がウジャウジャしている。
大きいな監獄の様な場所に幽閉された様であった。
城の最上階の部屋をあてがわれ、そこで毎日王になるべく勉強をさせられたり、外で剣の稽古である。
自分が祖父から王の座を奪い取りたい等とは思わなかったが、数少ない己を支持してくれるメイドと執事の為だと頑張った。
城の最上階の部屋も足腰を鍛える訓練なのだ。
ある夜の事である
コンコンと窓をノックされたのだ。
「こんばんは王子様」
「こんばんは……」
寝ぼけた僕は取り合えず夜の挨拶をした。
だが良く考えるとここは城の最上階。どうやって外から窓を叩くのだ!
「普通、こんな山奥の城の最上階に幽閉されてる王子様と聞けば美人と思って間違い無いと思ったんだが……」
「不細工で失礼したな」
「すごく期待はずれだ」
「勝手に期待したのはそちらだろう」
何なんだコイツは人の安眠を妨害した挙げ句窓から罵詈雑言である。
「僕に何か用なのか?」
「ほー、私が怖くないのか?」
「怖がって何かが解決するのか?」
「子供らしくないな」
「よく言われるな」
窓越しで会話する。相手の顔は良く見えなかったが雲の切れ間から顔を覗かせた月によって映し出される。
長い黒髪に白い肌。青い切れ長の瞳。整った顔の綺麗な青年である。一見人間の様だがどうみても足掛けなどなく、宙に浮いていた。
「貴方は誰だ?」
「今更か。私は吸血鬼」
「吸血鬼は女の血を吸うじゃ無かったのか?」
「そうとは限らん。女性が好きな奴が多いだけで私みたいに男性を好む場合も有る。特に美男子は大好物さ特に少年はな。だから期待したんだが…… 残念だ」
「それは残念だな。ここ居る執事は30過ぎだ。貴方には薹が立っているのだろうな
」
「歳上は好みじゃないな」
「吸血鬼は容姿を変えずに長年生きられると聞いているが、貴方はそうじゃないのか?」
「五百歳といった所かな」
「執事は年下じゃないか」
「人間の年齢に換算するなら二十歳だ」
「へー」
「お前と無駄話をしている暇はない。ここに好みの少年が居ないのならば仕方ない帰るとしよう」
吸血鬼はため息を吐くとスーっと姿を消してしまうのだった。
家に帰ると食事が有ると言う事なのだろうか。
吸血鬼は好みの人間を攫ってハーレムを作ると聞いている。
そしてそこで子孫も残すのだ。
あの吸血鬼は男好きの様だが、子孫はどうする気なのだろうか。
まぁ、そんな事は僕には関係無い事である。
安眠を邪魔されて目が冴えてしまったな。腹が立つ。
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