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第1話▶️お仕事探し

ぐぅうぅぅぅ…… 「はぁ、腹減った……」 椅子に座りながら、自分の番が来るのを待つこと数時間。あと少しで自分の番になる。 毎度思うが、こんなにも職を探す人で溢れかえっている事に驚くばかりだ。それでいて、人手不足と嘆かれていることが信じられない。大量の求人に仕事を求める大勢がいるのだから、見合った仕事も見つかるものだと思う。 しかし残念ながら、俺の場合見合う仕事が見つからず、職業斡旋所(ここ)で何度目かの順番待ちをしている。こうも頻繁に来ていると、慣れてもくる。本当は、早くオサラバしたいのだが。 『◯◯番、◯◯番の番号札を持つお客様は5番窓口にお越し下さい』 ふぅーと溜め息をついてると、機械音声で自分の持つ番号が呼ばれ、やっと順番が回って来た。 「大変お待たせしました、本日担当します金森と申します。よろしくお願いいたします」 忙しいだろうに随分と丁寧な対応だ。 「卯之原(うのはら)です。よろしくお願いします」 机を挟んで向かい合わせに椅子に座った。そして、離職届けと身元証明書などを職員の金森に渡すように机に置いた。 「少々お待ちください、卯之原さんのデータを開かせていただきますね……」 金森は、データが表示されているであろう画面を凝視して固まっていた。 「……卯之原さん、前回こちらでご紹介させていただいたお仕事合いませんでしたか……」 「あー…、なんと言うか、俺不器用で力加減下手で……仕事先とうまくいかなくて……」 へこむ、毎回へこむ。慣れたとはいえ、紹介してもらったところ駄目でしたが数回目。 ずーんと効果音背負ったような俺に見かねて、金森は気遣う態度でいた。 「卯之原さんに合う仕事きっとあると思いますので、頑張りましょう?」 そういう金森の顔は苦しそうだった。 「……やっぱり、学歴ない不器用で体力しか取り柄のない奴に合う真っ当な仕事は無いんですね……」 何回と紹介先をクビになっている俺の状況で、紹介する側も次の紹介案内に頭を抱えているだろう。 金森は暫く考え、何か閃いたのか、おもむろにパソコンをいじり始めた。 「……卯之原さん、あなたの強みや性質を考えた上で、この求人はどうでしょうか。変わり種であるため、なかなか誰にでもはご紹介していないものですが……ここまで来たら物は試しです!!」 求人内容が書かれた一枚の紙を差し出された。その紙に目を通すと以下の事が書かれていた。 《三食昼寝おやつ付、世話係り募集 ※条件※ ・体力、力に自信がある人 ・武術、格闘技経験者だとなおよし ・住み込み可能 ・やる気のある人 ・20歳以上》 「卯之原さん、成人してますし体力も仕事を探してるやる気もありますしどうですかね!?」 投げやり気味に聞こえるが、紹介してくれるだけありがたい。 なんてふざけた求人なのだろうかと思うが、人を求めている人物が事実いることだ。この際こんな好条件はないだろう。金額もなかなかな良い値段だ。 こちとらもう何回もクビになってる身だ。 住む場所にも困らなくていい条件も魅力的だ。 答えは決まってる。 「その求人、是非受けたいです」

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