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第4話▶️いざ面接
集合時間になると、サングラスにスーツを着た男がやって来た。そして、今日のタイムスケジュールについて説明が始まった。
「本日は、お集まりいただきありがとうございます。早速本日のながれについてご説明させていただきます。この説明後より皆様の身体能力を把握するため、独自の評価をさせていただきます。身体能力評価が終った方から個別面談を行います。全ての方の面接終了後に、採用者発表をいたします」
また、と男が言葉を繋げた。
「受験者番号はこれから配りますバッチの番号になります」
そう言って、1から5までの番号の書かれたバッチを一枚ずつ受験者に渡していった。
「貴方は5番となります」
光珀は、5と書かれたバッチを渡された。
5と書かれたバッチを審査員から見える位置、左胸に付けた。
「それでは、1番の方から順に身体測定を実施させていただきます」
――――――
身体測定が終わり、面接の前に少し休憩を挟むことになった。
(5番の俺で最後か、面接なに聞かれんだろ)
ペットボトルの水を飲みながら、時間を待つ。
前半の身体測定ってやつは、筋力、速さ、持久力は勿論だが、柔軟性や洞察力なども評価するための内容ぽく、色々仕掛けがあって面白かった。
だが、1人の"世話係"を探すのに、ここまでやる人物は、余程の物好きか暇を持て余している人物なのだろう。
何にしても、俺にとっては仕事が決まるかどうか死活問題なのにはかわりない。
「5番、面接準備整いましたので、移動お願いします」
スーツの男に促されるままに、部屋を移動する。移動した先には重厚そうな扉があった。スーツの男は、ノックをして扉を開けた。
「狐坂 様、5番目の面接者をお連れしました」
部屋に入って正面は、全て硝子張りだった。
そして、部屋の中央には品の良いデスクが置かれている。入り口を背に椅子に座る人物は、声をかけられて、椅子をくるりと回した。
「やあ、今回は応募ありがとう。先ずは、椅子にかけてお互いの自己紹介をしようか。藤岡、案内ご苦労、下がって良いよ」
藤岡と言われたスーツの男は、「失礼します」と言って静かに退室した。
孤坂に、デスク正面に置かれた椅子に座るよう促されるままに椅子に座った。
「ではまず私から。私は狐坂 銀之助 、ここの代表取締役を務めています」
すっとジェスチャーであなたは?と聞いてきた。
「5番、卯之原 光珀 です。よろしくお願いします」
狐坂はつり目気味の顔ではあるが、にこりとした顔はとても穏やかに見える。
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