混乱している俺は、室内にいた数人の男たちに声をかけられた。 「三食昼寝おやつ付き、世話係り募集で来たんだろ？」 「始めに、身体測定やるみたいだぞ」 「お前も向こうでウエアに着替えてこいよ」 指差された方向を見ると、ロッカールームと書かれた札があった。 促されるままに、ロッカールームに入る。 入って直ぐに、サイズ別のスポーツウエアが置かれたいた。 (サイズ選んで着替えろってことか……) 適当に選んだウエアに着替え、空いてるロッカーに脱いだものを入れて備え付けの鍵をかけた。着替えながら少し、頭の整理をすることにした。 (体力能力高い奴探してるから、身体測定やるってことか？ーーーまあ、何にしろやるしかねぇか) 大して頭の整理もできず、着替え終えた。 ふーっと大きく息をはいてロッカールームから出ると、相変わらずウエアを着た男たちが数人いた。 改めて見ると、結構ガタイのいい奴ばかりだ。 人数は4人、俺を入れると5人になる。 (俺よりデカい奴ばかりじゃねぇか) さっき俺に声をかけてきた奴の他に、妙な雰囲気出してる奴もいる。 (なーんか、俺の苦手なタイプっぽいから関わり持ちたくねぇな……。しかし、大の大人、しかも男が5人もよく集まったよな) 「よう、あんたも面接受けに来たのか？」 最初に俺に声をかけてきた、快活なスキンヘッドのおっさんに話しかけた。 「おう！そうだ。お前もだろ？俺は武術家だが、それ一本だけでは今時なかなか食っていけなくてな。この仕事が手に入れば、生活費も稼げるし、何より体作りに必要な食事と休息が付いてるってんだから条件が良い。ここにいる奴等は大体そんな感じの理由も、一因として面接受けに来たんだろうよ。雇い主が大物ってこともあるがな」 話好きらしく、ペラペラとおっさんは喋っていた。 「……おっと、名乗るのが遅くなったな。俺は剛田 勇(ごうだ いさむ)という。お互い頑張ろうな！」 よろしくな、と歯を見せて笑い握手を求めてきた。良い笑顔だ。 「ああ、よろしく。卯之原 光珀(うのはら こはく)だ」 ガシッと手を握り、剛田と握手をした。 「……うむ、お主なかなかだな」 握手を終え、手を離した。 「あんたもな」