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捜査

 見知った顔がいる。 捜査一課の古坐魅 天音(こざみ あまね)は無意識による眉間のシワを無理やりのばし、捜査員に紹介された聖護院 詩乃に挨拶をした。   「捜査一課の古坐魅 天音と申します。早速ですが発見した時のことを教えて頂けますか?」  青ざめて不安そうにひとり息子を膝にのせている詩乃は視線を古坐魅へとむけて子供へと戻した。 「……本日は小児心療内科の古坐魅先生と、助手の北洛さんがいらっしゃる日でしたので、私は家のことをしていました。息子、叶と一緒にお二人が庭へ出て発見されたそうです、そうですよね?」 「はい、そうです。僕と司紋くんと叶くんと一緒に天気がいいので庭へと向かいました。すこし散策していると、ぼちゃん、と何かが落ちたような音がして、猫やなにか動物が池に落ちたのではと心配になって向かったところ発見しました」  詩乃の言葉を引き継ぐように丞は天音に事実を伝えた。 「池に浮かんでた時にはあの状態でしたよ」  顔面は陥没し、顔承認も歯形をとることもできない状態で池に浮かんでいた。その情景を思い出して過去に巻き込まれた事件の被害者(遺体)のなかでグロさは五本の指に入るだろう。そして、また事件に巻き込まれたことに頭痛を覚えていた。 「北洛くんも一緒だったのね。ほんと、巻き込まれるわねぇ……。どこかお祓いいったら?」 「……ですよねぇ。俺じゃなく丞ですけどね」  少し憐れむ視線に同意しながら北洛はのほほんとしている小児精神科医を指差した。 「無理よ。甥っ子の藜も、弟の丞も、なぜか事件が寄ってくるんだもの。お祓いいっても無駄ね」 「あの、お知り合いですか?」  天音と北洛の気軽な言葉の応酬に詩乃がおずおずときいた。 「あぁ、失礼しました。古坐魅丞は私の弟です。その繋がりで北洛さんとも懇意にさせてもらっています」  にっこりと笑った天音に詩乃も納得したようだった。

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