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第2話
集配物を皆に配り自席につく。
「…はぁ…無駄に疲れた…。」
今日はたまたま午前だけで授業は終わりだ。
浅井話しかけられることはなるべく避けたかったからちょうどいい。
「はーい。皆席についてー。ホームルーム始めるぞ。」
浅井は少し眠そうだ。
…ホントに寝てたんかよ…
まじで仕事しろよ。
「はい、じゃあ解散。さよならー」
浅井 桃香。
色々適当なやつだな。
「くーちゃん!一緒に帰ろうぜ!最近出来たドーナツ屋行こうぜ!」
彩葉 孝太。
俺の唯一の友達で幼馴染み。
俺に友達がいないわけじゃないからな。
ちなみにくーちゃんはねくとの、く、から取ったらしい。
こう言うのは幼馴染みだから許せること。
浅井にくーちゃんなんて呼ばれたらゾッとする。
改めて幼馴染み限定だと確信する。
「孝太、行くのはいいけど食べ過ぎんなよ。腹弱いだろお前。」
「えー、もう子供じゃないんだから平気だよう…。さ、いっぱい食べるぞ!」
「おい」
ドーナツ屋に入ると甘い香りが広がってくる。
「やっぱ女子が多いな…。俺ら違和感ありすぎじゃね??」
「えぇ、そんなことないよう。くーちゃんも俺も可愛いから違和感ないない。」
「自分で言うかそれ…。あと俺は可愛くない。」
「自信持ちなって!」
…こいつは相変わらず話が通じてる気がしない。
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