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第6話
昨日は色々大変だった。
でもまぁ好物の唐揚げ食えたし、ゆっくり休んだおかげで精神面でも色々回復したし、今日はなるべく浅井を避けよう。
うん、そうしよう。
「ねぇちゃーん、俺学校行ってくんね。」
「朝日だけじゃなくにぃちゃんにも挨拶ぐらいしろー。」
「あ、にぃちゃんいたんだ。おはよう。」
「いたんだって…ひどいなお前…。」
「ごめんごめん。じゃあいってくるー。」
「ちゃんと勉強してきなさいよー。」
「いってらー。」
俺んちは親がいない。
朝日と悟が親みたいなもんだ。
たまに無性にムカつくけどな。
「いってきます。」
そう呟いて家を後にする。
よし、浅井避け避け作戦開始だ。
俺はありとあらゆることをした。
休み時間はトイレにすぐこもったり。
聞こえないふりをしたり。
「くーちゃん、お昼食べよー。」
「孝太、俺と昼飯食いたいなら、死ぬ気で走ってついてこい。」
「え?え?ちょ、まってよ!」
とりあえず浅井から話しかけられなければそれでいい。
「…うぇっ…走りすぎた…。」
「くーちゃん疲れるのはやーい。」
…疲れるの早くて悪うございましたね…。
「さ、昼飯食お…浅井のことうまく避けられてよかった…。」
「くーちゃん、大変だねぇ。」
「あ、孝太のポテトサラダもーらお。」
「あ!?…じゃあ俺唐揚げ貰っちゃおー。」
「俺の唐揚げ!?か、唐揚げ…。」
「そんなにへこまないでよ、ウケる。」
「唐揚げは俺の生き甲斐だぞ…。馬鹿にすんな…。」
「どんだけ。」
くだらない話をしていたらあっという間に昼休みは終わってしまった。
さぁ浅井避け避け作戦続行だ。
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