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智之「……お義兄さん、お名前は?」
取り合えず名前を聞こうと恐る恐る尋ねる智之。
寛也「お義兄さんじゃない、寛也だ、よろしくな」
握手を求めながら智之のことを上から下まで見る寛也。
智之「ああ……、寛也さん?」
握手を交わしながら
智之の心の声「この人、いま絶対に僕のこと背低いと思っただろう?」
眉間に皺が寄る智之とニコニコとご機嫌な寛也。
ずっと握手をしている。
寛也「良いじゃないか、その呼び方」
智之「呼び方? 何故ですか?」
寛也「嫁っぽい」
智之「嫁!?」
智之「いや、僕は夫の方なんで」
寛也「俺はお前の名前を知らないから逆は出来ない」
智之「あ、え!? えっと、僕の名前――」
寛也「いらないから心配するな」
二人の会話を聞きながら天子は我関せずといった様子。
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