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求愛行動?
「あ、あ、ちょっとタイム。どこ舐めっ、や、くすぐったいって……!」
それは家族みんなが寝静まってしまった夜中のことだった。空哉も自室の布団に潜ってすやすやと眠りについていたのだが、全身にくすぐったい感触を覚え、しかもしつこいので目を覚ますと。
「や、やっ、どこ舐めっ、あ、やだ」
やはりその正体は愛犬のアレクだった。実はアレクには妙なところがあり、空哉が寝ていると布団に潜り込んできて、服を鼻先で捲り上げると、あろうことか身体中くまなく舐め回すということを毎晩のように繰り返すのだ。
「あっ、だめっ、そこはっ」
空哉の制止の声をものともせず、アレクはズボンを下着ごと口にくわえてずり下ろすと、まるで大好きなおもちゃか、もしくは好物を見つけたようにぺニスを取り出して舐め始めた。
空哉が早熟になってしまったのは、全てこの犬の影響だった。同世代の友達がまだ誰も色事や自慰行為といったことを知らないうちに、アレクに舐め回されるせいで、早々と感じることを覚え込まされたのだ。
アレクは裏筋や亀頭を舐め、やがてピンポイントで空哉のもっとも感じるいいところを発見すると、そこを飽きることなく繰り返し舐め続ける。
「あっ、や、出ちゃう、もう離して」
むずむずと腰から這い上がるのが、尿意に似た別のものだと知ったのは、いつのことだったか。アレクは何故だか初めてそれを出した時から、ずっと尻尾を振ったりして喜びを表し、抵抗なく舐めとってしまうのだ。
しかし羞恥心を堪えられるはずもなく、アレクから逃れようとするが、今夜も快感に逆らえないまま。
「ん、んーーっ」
どうにか声を張り上げることは免れたが、思い切り放ってしまって、アレクの顔にかかってしまう。力が抜けてしまいながら見上げると、アレクはその白い精液を舐めとった。まるで、見せ付けるようにゆっくりと。
「っ……」
そんなはずはないと知りながらも、アレクにこんなことをされるようになってから、実は中身は人間なのではないかと思えてならない。
「アレク、お前は……」
空哉がその疑問を口にしかけた時、アレクは再び頭を下げた。空哉の股の間に。
「え、ちょっとアレク、今度は何」
またぺニスをと思って慌てていると、アレクはそこではなく、もっと下、さらに奥に舌先を忍ばせた。
「え、ちょっ……ん」
今夜はいつもとは違い、それだけで済ませる気がないらしい。アレクは後ろの窄まりをつつくと、入り口を舐めてきて。
「そんなとこ、汚いって、アレク」
空哉の制止を綺麗に無視して、アレクは新たな場所を開発する気なのか、穴の中にまで舌を入れてきた。
「やっ、やめっ、……ッン」
初めは違和感しか覚えなかったのが、丁寧にしわを伸ばすようにくすぐられるうちに、自分のものが反応し始めてくるのを感じて。そのまま為すすべもなく、後ろの窄まりにも性感帯があることを覚え込まされた空哉は、アレクが満足するまで散々弄り回されてしまったのだった。
疲れきって眠りについた朝、乱れた姿を家族に見られないように細心の注意を払ったのは言うまでもなく。アレクは空哉の懊悩も知らぬ存ぜずで、通常通りの可愛い愛犬に戻るのだ。
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